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人間の本性と儒教について

  • 執筆者の写真: synchronicity64
    synchronicity64
  • 5月14日
  • 読了時間: 2分

   儒教は、人倫道徳を根本とする修己治人を説いています。「分かち合うヒト」すなわち社会生活ができるのは、人間が本来、わがことばかりでなく常に他人のことを思いやる心があるからです。すなわち、人倫道徳性を持つからであり、これを人間の本性として述べたのが儒者です。儒教は人倫道徳を根本とする修己治人を説いています。その修己治人を明らかにしたのが『大学』で、正心、誠意、致知、格物、修身、斉家、治国、平天下の八条目の教えになります。しかし、人間の特異性は人倫道徳的本性ばかりではありません。このことは、中国の古代思想とその歴史を見るならば容易に知ることができます。

 人間の特性を中国の古代思想とその歴史から見ると下記の様な分類となります。これらは、いずれも根深い人間性の表現であるといわなければなりません。

 

⑴現実主義―功利的人間観に基づく。 

人間は先ず己れの利を求める功利的な存在です。そこで現実主義の観方をする思想家は、人間の功利主義が如何に根強く切実なものであるかを洞察し、それに対処する道を説きました。孫子などの兵法家、韓非子などの法家、縦横家(外交家)がそれになります。

 

⑵超越主義―宗教的人間観に基づく。 

人間は本来宗教性を持っているという宗教的人間観に基づく超越主義思想も現れました。すなわち、人間は相対的な存在であって様々な矛盾・葛藤・苦悩から逃れ得ない運命を背負っており、人間以上の超越的なものへの随順によってのみ運命の束縛から離脱し安楽な絶対界に安住することができるとして、一切の人為を否定し天の無為自然に因循することを求めました。老子、荘子などの道家、中国化された仏教がそれになります。

 

⑶理想主義―道義的人間観に基づく。 

一方、現実の人間は確かに功利的で人と人との共同生活には様々な矛盾・葛藤などを伴うけれども、人間は本来道徳的であり、お互いに情義(人情と義理)によって結ばれていると道義的人間観に基づく理想主義思想が生まれました。孔子、孟子、朱子、王陽明などの儒家がそれになります。

 

⑷芸術主義―審美的人間観に基づく。


3.岡田武彦 著 『崇物論 -日本的思考―』 自家制作・発行 2003.8

 31頁 6.人間の本性と儒教について要約



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