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​岡田武彦記念館
(記念館は只今閉館中)

 岡田武彦記念館(正式名称:秋月書院關雎(かんしょ)學舎 岡田武彦記念館)は、故岡田武彦を顕彰・記念するために建てられた、研修施設付きの記念館でした。

建築に至る経過と管理 グリーンクロス会長 故青山明の肝煎りで、岡田の著作物、愛蔵書の保存、陳列、研修施設として建てられ、NPO法人「岡田武彦記念館 秋月書院關雎學舎」が管理してきました。

岡田武彦記念館
岡田武彦記念館石碑画像

所在地:福岡県朝倉市日向石字上川原55-1

運営期間:平成19年(2007)10月13日~令和6年3月31日

 

岡田武彦記念館の場所と施設の紹介

旧甘木市中心部から秋月の城下町に向かう国道322号線を北上し、秋月に入る少し前で小石原川を越えた直後の長谷山交差点を右折、江川ダムに向かう国道500号線に入ってしばらく進むと、右手に青屋根で白く塗られたペンション風の建物が見えます。これがグリーンクロス研修所で、隣りの右側の緑屋根の和風二階建てが「岡田武彦記念館」です。施設の1階は研修室を兼ねた大広間、蔵書約2万冊を修めた書庫、書画・掛け軸や骨董・印章などを置いた展示室、岡田の旧宅にあった書斎の再現、浴室などがあり、2階は談話室で少人数ながら宿泊もできました。

「秋月書院關雎(かんしょ)學舎」 命名の由来

岡田武彦先生は生前、秋月の自然と文化を愛し、日向石にあるグリーンクロス(代表)青山明氏の研修所「生々精舎」で、王陽明の『抜本塞源論』の講義をしたこともあり、記念館は秋月の生々精舎と同じ敷地に建てられました。岡田先生はいつか本格的な書院を開設し、そこを「關雎書院」と名付けたいとの考えがありましたが、「關雎」は一般人には馴染めないのではないかとの声があったので、「簡素書院」として開かれました。關雎學舎の「關雎」は、中国古典『詩経』巻頭第一篇にある「國風」→「周南」→「關雎」を典拠とします。その最初の二句が「關關雎鳩在河之洲」(関関たる雎鳩〈カンカンと鳴くみさご〉は河の洲に在り)「窈窕淑女君子好逑」(窈窕たる淑女は君子の好き逑〈つれあい〉)です。門下生たちは岡田先生の思いを汲み、記念館に「秋月」と「関雎」を付与し、書院としての学び舎としました。

◆『詩経』冒頭の「國風」-「周南」第一篇「關雎」全文

關關鳩雎 在河之洲 窈窕淑女 君子好逑。

関関(クァンクァン)たる雎鳩(しょきゅう)は 河の在り在り、窈窕(ようちょう)たる淑女は 君子の好きつれあい。

參差荇菜 左右流之 窈窕淑女 窹寐求之 求之不得 窹寐思服 悠哉悠哉 輾轉反側。

參差(しんし)たる荇菜(こうさい)は 左右に之(これ)に流(もと)む、窈窕たる淑女は 窹寐(ごび)に之を求む、之を求めて得ざれば 窹寐に思服す、悠なる哉(かな) 悠なる哉 輾轉反側(てんてんはんそく)す。

參差荇菜 左右采之 窈窕淑女 琴瑟友之 參差荇菜 左右芼之 窈窕淑女 鐘鼓樂之。

參差たる荇菜は 左右に之を采(と)る、窈窕たる淑女は 琴瑟(きんしつ)之を友とす、參差たる荇菜は 左右に之を芼(えら)ぶ、窈窕淑女は 鐘鼓(しょうこ)之を樂しむ。

語釈 関関=雎鳩の和らぎ鳴く声の形容。  雎鳩=ミサゴ(鷲の一種)。  窈窕=奥ゆかしくしとやかなさま。  參差=長く短く入り乱れ不揃いなさま。  荇菜=荇という野菜。水草。和名アサザ。  窹寐=寝ても覚めても。  思服=深く思うこと。   輾轉反側=寝返りをうち、心が落ち着かないさま。  琴瑟=琴は五または七弦、瑟は二十五弦。  芼=択び取ること。  鐘鼓=鐘や太鼓。

開館記念・起工式の写真

◆参考書籍・資料

岡田武彦先生追悼文集刊行会 事務局 代表 森山文彦 発行 

『光風霽月―岡田武彦先生追悼文集』平成十七年(2005)十月十七日

​※このページは古賀氏が作成された文章を許可を得て赤松が編集・追記しています。

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