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映画「雪の花 ―ともに在りて―」

  • 執筆者の写真: synchronicity64
    synchronicity64
  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

映画「雪の花 ―ともに在りて―」は、吉村昭の時代小説を原作とし、江戸時代末期に天然痘と闘った町医者・笠原良策の種痘(現代のワクチン)普及奮闘を描いた作品です。主演は松坂桃李で、共演に芳根京子、役所広司などがいます。


仁あるこころ、人共に生きる実践者、笠原良策。

「私は町医者として病を抱える人々の力となり、共に在りたい。

名を求めず、利を求めず」


笠原良策(かさはら りょうさく)は、日本において天然痘(疱瘡)の予防接種、すなわち「種痘」の普及に尽力した医師・蘭学者として知られています。彼の功績は、19世紀の日本における公衆衛生の発展において非常に重要なものであり、天然痘という当時の恐ろしい感染症の撲滅に大きく寄与しました。


以下に笠原良策の業績を簡潔にまとめます。


◆ 背景と人物概要

 生没年:正確な生年は不詳だ

 が、幕末から明治初期にかけて

 活動。

 出身地:肥前国(現在の佐賀 

 県)出身とされる。

• 職業:医師、蘭学者。

• 江戸時代後期、蘭学の影響を受けて最新の西洋医学を学んだ。


◆ 疱瘡(天然痘)と種痘

天然痘は、かつて世界的に猛威を振るったウイルス性の感染症。高い致死率を持ち、治っても重度の痘痕が残ることから「疱瘡」として恐れられていた。

種痘は、1796年にエドワード・ジェンナーによって開発された予防接種法。牛痘ウイルスを接種することで天然痘に対する免疫を得る方法である。


◆ 笠原良策の功績


1. 種痘技術の導入と普及

• 蘭学を通じてジェンナーの種痘法を知り、それを日本に導入した先駆者の一人。

• 特に長崎などで西洋医学を学んだ後、自らも種痘を実施し、安全性と有効性を訴えた。


2. 種痘苗(ワクチン)の保存と流通に貢献

• 牛痘苗は保存が難しく、劣化しやすかったため、牛から人へ、人から人へと「生苗接種」(リンパのリレー方式)が行われた。

• 笠原はこの仕組みを活用し、広い地域に種痘を広めることに成功した。

3. 種痘の普及運動

• 種痘に対する民衆の不信感や宗教的抵抗があったが、彼は講演や啓蒙活動を通じて説得・指導を行い、接種率を向上させた。


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